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「神童」さそうあきら [本]

神童 (1)

神童 (1)

  • 作者: さそう あきら
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 1998/06
  • メディア: コミック

さそうあきらは昔から好きな漫画家で、この作品も一度読んだことがあったのですが、映画化されるということで、再び買ってきて読んでみました。

いいね、やっぱり。
とても自然に感動します。
この長さもちょうどいいかんじです。

この人の描くマンガはどれもとてもテンポがよく、完成度が高いのですが、それはたぶん、はじめからおおよそのネーム描いておいて、それから連載を始めているからではないでしょうか。

クラシックを扱ったマンガには最近流行った「のだめ」や今モーニングでやってる「ピアノの森」なんかがありますが、本作も含めて、どのマンガの主人公もみんな野生児的天才として描かれているのですが、天才的ピアニストってそんなもんなんですか?詳しい人教えて下さい。


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「すばらしい新世界」オルダス・ハックスリー [本]

すばらしい新世界

すばらしい新世界

  • 作者: Aldous Huxley, ハックスリー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1974/11
  • メディア: 文庫

本棚からひっぱり出して久しぶりに読んでみました。

フカクラブ的未来世界が描かれた本。

世界のほとんどの人が疑問や苦痛を抱く事なく、快楽を享受している世界。
飢餓も戦争も貧困もない世界。
全ての人が望んだ仕事に就き、いつまでも若々しいまま人生をまっとうしていく世界。

この「すばらしい新世界」は1932年という年に書かれたにもかかわらず、今なおそのリアリティを失わないのは驚嘆に値します。逆に、リアリティが増してると言っても過言ではないのが恐ろしいです。
そこに空想された驚愕の未来世界のありようそのものもとても興味深いですが、劇中の世界のリアリティが増した今だからこそ、その世界を舞台にして語られる、「人間とは」「科学とは」「生きるとは」「幸せとは」といったテーマがより強く浮き彫りになってくるように思われます。

何不自由のない生活を送れれば、それであなたは幸せですか?


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「岳」石塚真一 [本]

岳 2 (2)

岳 2 (2)

  • 作者: 石塚 真一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/09/29
  • メディア: コミック


 
主人公が常人離れしているけれど、かなりリアルな山岳もののマンガ。
ある程度、山の知識と山への愛情がないと楽しめないかもしれないですが、おもしろいです。
特に、全編を通じて山と山へ登る人への愛情が溢れている部分が好きです。

「山への愛情」。
よく、僕が山登りをしているという話しをすると、「なんで、山に登るの?」とか「山の魅力は?」なんて質問をされますが、うまく答えられません。ていうか、言うなれば理由などなく、なんとなく、好きだから好きなんです(笑)。
そのように僕が山に対して感じているのと同じような気持ちがこのマンガからは感じることができます。

主人公は、北アルプスでボランティアの山岳救助をやっています。
作中、彼に助けられた遭難者が彼に感謝したり謝ったりしてる時に、彼が遭難者達にかける言葉が好きです。
「気にする事はないよ、僕はあなたがここ(山)にいることが嬉しい。」と。

話しは少しとぶかもしれませんが、「恋愛」も同じだな、と僕は思うのです。
「彼女の(私の)どこが好きなのか?」というような事を聞かれた事がありますが、そういう場合も僕は答えに困ります。
もちろん相手の好きなところはたくさんあるのですが、例えそれを全部言えたとしても、たくさんの言葉に分解された「愛情」では一番重要な本質的な部分は伝えられないと思うのです。
言葉にすればするほど嘘くさくなってしまう・・・。

そういう事を考えると、山にしろ、恋愛にしろ、他の何であれ、本当に好きなものについての愛を語りえる言葉などないのではないかと、僕は思います。
逆に言えば、簡単に語れるようではその愛の大きさは知れていると。
どんなものでも、その本質とは語り得ない部分にあるのではないでしょうか?(ヴィトゲンシュタイン的やね(笑))

さらに踏み込でいうなら、本当に好きなものを愛するものを手に入れようと思うなら、何事も勇気を出して体験するしかないということだと思います。


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追悼茨木のり子 [本]

詩人の茨木のり子さんが亡くなられました。享年79歳。

大阪出身の茨木さんはペンネームの「茨木」を、僕が育った町である
茨木市に古くから伝わる伝説「茨木童子」からとったらしいです。

昔は単純に「茨木」つながりで気になっていただけなのですが、
ちゃんと読むといい詩がたくさんあります。

代表作である「自分の感受性くらい」をここに記しておくので、
興味が湧いた人は一度詩集を手に取ってもらえたらと思います。

「自分の感受性くらい」 茨木のり子

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
 
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ


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ズッコケ中年三人組 [本]

僕らの世代なら子供の頃にかならず読んだであろう
「ズッコケ三人組」シリーズ。
三人組も僕らと同様に年を重ね
知らぬ間に中年になってました。
なつかしー!

ズッコケ中年三人組

ズッコケ中年三人組

  • 作者: 那須 正幹
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2005/12
  • メディア: 単行本


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『祝婚歌』吉野弘 [本]

おーせコメントサンキュー。
この前の披露宴で朗読した詩を渡していなかったので、ここにUPしときます。
有名な詩ですが、知らない人には読んでもらいたいと思うので。
ちなみに作者の吉野弘さんは、この詩を「民謡」のように伝えていって欲しいと著作権をフリーにしています。

『 祝婚歌 』  吉野 弘

    二人が睦まじくいるためには
    愚かでいるほうがいい
    立派すぎないほうがいい
    立派すぎることは
    長持ちしないことだと気付いているほうがいい
    完璧をめざさないほうがいい
    完璧なんて不自然なことだと
    うそぶいているほうがいい
    二人のうちどちらかが
    ふざけているほうがいい
    ずっこけているほうがいい
    互いに非難することがあっても
    非難できる資格が自分にあったかどうか
    あとで
    疑わしくなるほうがいい
    正しいことを言うときは
    少しひかえめにするほうがいい
    正しいことを言うときは
    相手を傷つけやすいものだと
    気付いているほうがいい
    立派でありたいとか
    正しくありたいとかいう
    無理な緊張には
    色目を使わず
    ゆったり ゆたかに
    光を浴びているほうがいい
    健康で 風に吹かれながら
    生きていることのなつかしさに
    ふと 胸が熱くなる
    そんな日があってもいい
    そして
    なぜ胸が熱くなるのか
    黙っていても
    二人にはわかるのであってほしい

贈るうた

贈るうた

  • 作者: 吉野 弘
  • 出版社/メーカー: 花神社
  • 発売日: 1992/04
  • メディア: 単行本

二人が睦まじくいるためには

二人が睦まじくいるためには

  • 作者: 吉野 弘
  • 出版社/メーカー: 童話屋
  • 発売日: 2003/10
  • メディア: 単行本


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「凍」沢木 耕太郎 [本]

凍

  • 作者: 沢木 耕太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/09/29
  • メディア: 単行本

「バガボンド」の宮本武蔵のような男、山野井泰史
彼の生き方の善し悪しは別にして現代の日本にここまでストイックで求道的な生き方をする男が存在するということを多くの人に知ってもらいたい。
登山に興味がなくとも、「自分らしい生き方」などというものを少しでも考えたことがあるなら、山野井の生き方から何かを感じずにはいられないはずだ。

その山野井を沢木が書いたということを今日、山野井のHPで知った。
なんという組み合わせ。男臭すぎる。熱すぎる。
早速帰りに買って帰ろう。

以下の本もお勧め。


垂直の記憶―岩と雪の7章

ソロ―単独登攀者・山野井泰史


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「となり町戦争」 [本]

となり町戦争

となり町戦争

  • 作者: 三崎 亜記
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2004/12
  • メディア: 単行本

おもしろい本です。
リアリティがあるようで無いような話しを使って、今の日本が抱えている閉塞感をよく表現していると思います。
ただ、言わんとする事にはあまり共感できませんでした。


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「ダメな女」 [本]

ダメな女

ダメな女

  • 作者: 村上 龍
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2004/05/13
  • メディア: 文庫

元フジテレビのひょうきんアナこと長野智子さんのブログを読んでたらこんな文章がありました。

<上略>

村上龍さんのエッセイ「ダメな女」を、つらつら読んでたとき。

「だから、友達の欠点は、付き合うのに神経を使うことだ。お互いを認め合うための努力が必要になる。この友達を失いたくないと思えば、軽蔑されないように、できれば尊敬され、相手に喜ばれる存在であるために努力しなければいけないのだ」

仲間は努力はいらない。仲間モードに自分を合わせるだけで、一体感を楽しめる。自分ひとりでは友達を作れない人間が仲間内で群れる」

ダメな女とは、仲間を欲しがる女である」

<下略>

僕はこの本を読んでいないので、今から書く事は著者が本当にいいたかったことをきちんと捉える事ができているかどうかわからないけれど、上の文章に限っていえば、
「まさにその通り!」と感じた。
村上龍のこの文章はあまりに断定的で「仲間」に否定的すぎるが、「ダメな」理由を上手く表していると思う。

傷つく事を恐れて、「仲間」という安易な関係性で自分をごまかし、「友達」という大変だが有益な関係性に踏み込まないという生き方は「ダメ」だということだ。

村上龍がは「ダメな女」と、女子に限定して書いているけれど、これは女子に限らず男子にも当てはまると思う。この「ダメな人たち」は僕の知り合いにもいて、「仲間主義者」が多い集まりに参加したりすると、虚無感に襲われることがたまにある。無為に時間が浪費されていく感じ。

僕も知り合い全員と「友達」になれるわけではないし、「仲間」関係の知り合いも多いけれど、「友達」という関係性を常に意識しながら、人間関係を築いていくことはとても重要だと思う。


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「人間の土地」 [本]

人間の土地

人間の土地

  • 作者: 堀口 大学, サン=テグジュペリ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1955/04
  • メディア: 文庫


今日はとてもいい天気。
見上げれば青い空。
空はただ青いだけなのに何故感動してしまうのだろう?
雪、空、岩、川、緑。
単純な物の中にも美しさが溢れている。

サン=テグジュペリが「人間の土地」の中でこんなことを書いている。
「完成は付加するものが何もなくなったときではなく、除去すべきものが何もなくなったときに達せられるように思われる。」

僕はモダニストでもミニマリストでもないけれど、
一人の山を愛する人間として、この言葉は正しいように思える。
僕が山で感じる自然の美しさとは、まさにそのようなものだから。


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