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パタゴニア続報2 [登山]

一度は直接やりとりすべきだろうと思い、パタゴニアにメールしてみました。

聞いたことはパタゴニアHPに記載された公式コメントについてです。

1.「1993年を最後とする助成金プログラムを通じた Sea Shepherd への資金援助」とあるが、それ以降は資金ならびに物資の援助は行っていないのか?
2.「最近、南極海で Sea Shepherd の所有する船が、捕鯨を中止させ、また捕鯨船によりクジラが殺されるのを防止するため、日本の捕鯨船の甲板に“悪臭弾”を仕掛けました。」とあるが、これをパタゴニアは合法的な行為とみるのか?合法的とみるならその根拠は?

それに対する回答。

「昨今報道されている日本の捕鯨に関わる問題に関してお問い合わせをいた だきまして誠にありがとうございます。弊社ではお客様のご意見やご質問 を常に歓迎しております。 公式コメントにもございますように、環境助成金プログラムを使用した助成は 1993年のみで、それ以降の助成はお断りをしております。それ以外は、数年 前に製品を提供したことが履歴として残っております。 弊社は、罪のない野生生物の生命と福祉を守るために、あらゆる地域で活動 している環境団体への支持を表明しており、また同時に、弊社は人々の生命と 福祉を危機にさらすいかなる行為も支持いたしません。」

2.に対する回答については、あいまいなままなのでさらに質問してみました。

「御社のHPには『Sea Shepherd の所有する船が、捕鯨を中止させ、また捕鯨船によりクジラが殺されるのを防止するため、日本の捕鯨船の甲板に“悪臭弾”を仕掛けました。』とありますが、この行為について、パタゴニアは支持しているのですか?していないのですか?」

それに対する回答。

「返信差し上げておりますとおりに、弊社は、罪のない野生生物の生命 と福祉を守るために、あらゆる地域で活動している環境団体への支持 を表明しており、また同時に、弊社は人々の生命と福祉を危機にさら すいかなる行為も支持いたしません。 」

最初の質問に回答がきた時は、その迅速で誠実な対応に感心しましたが、
二度目の質問に対しては、明らかに意図的に回答を避けており、誠実な対応とは言えませんでした。パタゴニアのような誠実な会社が回答をうやむやにするということは、やはりそこに言いづらい、誤摩化したい何かがあると考えるのは当然で、それが直接のやりとりでわかったのは収穫でもあり、残念な結果でした。

新しい情報がない限り、これ以上関わっても不毛なのでこの件はこれで終わりにしますが、
今回の一件でよくわかったのは、パタゴニアが僕の大嫌いな
「環境保護を建前にしたクジラ教」
だったということです。

僕がパタゴニアを好きだったのは「アウトドアを楽しむ人間はその環境を大切にしなければならない」という姿勢で、利用者の受益を前提とした環境保護活動は理に適っていると思えたからです。

一般的な環境保護活動についても同じように、人類が生きやすい環境を維持するために、気温上昇を防いだり、種の多様性を守ったりするのだと僕は理解しています。
今回の一連の記事の中では、議論の要点(手段が合法かどうか)と捕鯨自体は関係がなかったので僕は捕鯨についての賛否を表明していませんでしたが、基本的にはパタゴニアと同じく反捕鯨の立場です。ただ、それはクジラがかわいそうだからでも、捕鯨が「残酷的かつ暴力的」であるからでもなく、人類のためには種の多様性が保たれたほうが良いと考えているからです。

環境保護は人間のためにやるのであって、地球や動物やクジラのためにやるのではないはずです。

そういう点では、Sea Shepherdを支援していることよりも、公式コメントで捕鯨を「残酷的かつ暴力的」という表現で批判していることのほうが本質的には重要で、だからこそ、パタゴニアはSea Shepherd(海の羊飼い=海のキリスト)なんて狂信的な集団を支持するのだと考えられます。

捕鯨問題は政治、経済、宗教、人種、環境など様々な問題が入り乱れてもう収集がつかない状態になっています。パタゴニアのような大企業がかかわるにはとてもシビアな問題で、できれば避けていたいはずですが、欧米で自然環境問題に向き合っている限り、捕鯨問題とかかわらないわけにはいかないのでしょう。
でも、そういう問題だからこそ、そのような立場をとるにせよ、パタゴニアにはウイットのある平和的なスタンスをとって欲しかったと思います。
また、反捕鯨であるのなら、Sea Shepherdのような集団を支援するより、もっと他の方法がたくさんあるのではないでしょうか?

パタゴニア製品をたくさん持ってる身としては、今回、知らなければよかったようなことをだくさん知ってしまって非常に残念な気持ちでいっぱいです。
「ブランド物」ってやっぱり人にアピールするために着ている部分があると思うのです。
そういう意味でパタゴニアは着ていて誇らしい気分にさせてくれるブランドでしたが、そうではなくなってしまいました。
もったいないので今持ってるのは使いますが、これからはとりあえず買いません。

高いけどがんばって買ったのに、複雑な気分で着ないといけないなんてなあ・・・。
マハーポーシャのPCを買ってしまったのと同じ気分というのはいいすぎか。
パタゴニアが早く改心してくれることを祈るばかりです。


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コメント 4

ファイタ

確かに苦しいコメントですね。詭弁ですが野生生物だけなのですか?ウシとかブタは良いのですか?って聞きたくなりますね。
やはり企業でも何でも大きくなると動きが悪くなるのでしょうね。
by ファイタ (2008-02-16 19:15) 

きーぼ

クジラやイルカが絶滅するわけでもないのに
あれほど過激に日本を攻撃する理由はひとえに
「自分の好きな種類の動物が殺される姿を見たくない」という
超個人的理由。そんなん集団ヒステリー以外の何者でもない、と
思います。
人の国の文化ほっといてほしいわあ…
パタゴニアの意見はとても残念ですね。
日本法人の力なんてとるに足りず、本社の意見には逆らえないということ
ですかね?
by きーぼ (2008-02-17 09:07) 

ミズムト

>ファイタ、きーぼ
クジラを好きなのを否定する気はないけれど、他の動物以上にクジラやイルカに固執する人たちは、基本的に非論理的で科学的じゃないし、科学的でなければ、それはもう宗教的というしかない。
宗教を否定する気はないし、宗教なら宗教で、そういう風にやればいいのに、変に理屈をこねるから腹が立つ。

パタゴニアは本来理屈っぽい企業でそれが売りやったはずやのに、今回の件ではそうではなかったということが分かって残念やったけど、パタゴニアもそこらへんのただの企業と同じなんやと思えば、大したことではないのかもね。
by ミズムト (2008-02-18 18:11) 

yutakami

なかなか悩ましいとはこのことですね。
by yutakami (2009-10-28 14:59) 

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